天使が舞い降りる夜に
「・・・バカ・・・・。」
温かい紅茶をベッドの横の机にコトリと置くと、恋人は、さっきまで荒れていた息遣いを少し休めてつぶやく。
「何が?」
ゆっくりと、さっきまでいた布団にもぐりこみ、自分の紅茶を持ちながら不二の横に座る。
キシっと、揺れるベッドは心地よくて・・・
すすった紅茶を、不二のと並べて机において、そっと不二の汗ばむ髪をすく。
反対側を向いていた不二は、それを合図に可愛い瞳をコチラに向けた。
「激しすぎ・・・・。バカ。・・・・何か、下半身が重い・・・。」
「いーじゃねーか。何度もイイとこ突かれて、甘い声で俺様を誘ってたのは、どこのどいつだ?」
「誘ってない!!しかも、声に出さないでよ!も〜!!」
「ククク・・・何だよ?恥ずかしがってんのか?今更?」
「デリカシーがないって言ってるの!」
「デリカシーないのは、お前だろ?・・・聖なる夜に・・・俺様のベッドで早々にイって、ベタベタにし・・・」
「跡部っ!!」
「クククっ・・・わかったよ。・・・ほら、紅茶持ってきたぜ?飲めよ。」
「・・・・・・・。」
怒って・・・座っている俺を寝そべりながら、じっと見上げる不二は、何だか愛しい。
「怒るなよ。・・・そんな顔してたら、またシたくなる。・・・・起きろよ。」
「誰かさんのせいで、体が痛いんです〜!」
「ったく・・・手のかかる奴だな。」
「そうしたのは、君でしょ?」
「アーン?それ以上、歯向かうと・・・もっとめちゃくちゃに抱くぜ?」
「・・・・・・・・。」
「わかればいい。・・・ほら、手貸してやるから。」
不二の背中に腕を入れる。
細くて白くて・・・少し冷たい体・・・・・
「俺の首に腕回せ。」
スルリと柔らかな感触が、頬を伝う。
ゆっくりと起こすと同時に、不二からは「・・んっ・・。」といった苦痛の声があがる。
さすがの俺も、少し心配になって・・・
「・・・・平気か?」
「・・・うん。でも・・・何か体に力入らない・・・。」
「あぁ・・・媚薬の効果が残ってんだな・・・」
「!?・・・媚薬!?」
「お前が、眠ってるとき嗅がせておいた。」
「はぁ!?犯罪だよ、それ!!」
「媚薬は、合法だし・・・俺様がいない間にうちに来て、勝手に可愛い顔して寝てたお前が悪い。」
「クスクスクス・・・・変態!僕の寝顔に欲情したわけ?」
「ま〜な・・・・今のお前にもな・・・。」
そっと不二の唇をとらえる。
長い・・・長いキス
何回しても、まだ足りない。
長い・・・長いキス
「ふっ・・・・んっ・・・・。」
不二から漏れる声が何度も聞きたくて・・・
繰り返し、繰り返し・・・舌を絡ませていく。
「っ・・・・はぁ・・・はぁ・・・・。」
「キスしただけだぜ?・・・お前のココ、勃ってる・・・。」
「っつ!?・・・触んないでよ、バカ?」
「シたい?」
「・・・・・・・・・・。」
「不二・・・?」
「一緒に・・・・いたい。」
ぎゅっと手を握られて・・・キスで熱くなった不二の体温がじわじわと伝わる。
「誓って・・・・くれる?」
「アーン?」
「僕を・・・一生、愛して。・・・・死ぬまで離さないで。・・・・一緒にいたい・・・。」
胸にサラリと不二の髪が揺れて・・・・腰に握られた手とは反対の手がのびる。
抱きつかれて・・・手を握られて・・・手にも体にも、こいつを感じる。
「甘えん坊。」
「だって・・・ずっと一緒にいたいって・・・・さっきキスされてるとき・・・本気で思ったんだ。」
「・・・・・。」
「神に誓える?」
「・・・・・・神に誓って・・・俺は不二以外の人を愛さない。・・・死ぬまでじゃない。・・・死んでも離さない。」
リーンゴーン・・・・・リーンゴーン・・・・・・・・・
「・・・・・・鐘?」
「近くの教会のだな。・・・クリスマスイベントでもやってんだろ。」
「クスクス・・・誓いをたてるのにグッド・タイミングだね?」
「そーだな・・・・。」
「ね、跡部?」
「ん?」
「もう1回、シよっ。」
「・・・・・体は?」
「優しくしてくれれば、平気だよ。だって・・・・」
「・・・・だって?」
「ううん、何でもないや。」
「アーン?」
「何でもない!!」
「・・・・不二。」
「・・・・跡部?」
「好きだぜ?」
「・・・・うん!」
だって・・・・同じこと思ってたんだ。
死ぬまでじゃなくて・・・天国へ行ってからも、ずっと一緒にいたいって・・・・
寒い、寒い夜
でも、僕らは、いっぱいいっぱい愛し合って・・・・
空から舞い降りる天使が羨ましがるくらいの時を過ごすんだ。
今日は12月24日
聖なる日の夜
このバカップルがっ!!!!!(自己ツッコミ)
Hの描写はナシにしました。
えっと・・・ところどころ会話に出てきているので・・・
あとは皆様のご想像にお任せしようと・・・(笑)
今日は聖なる夜です。
みなさまも、楽しいクリスマスを♪
2004.12.24