籠の中の鳥たち vol.3
この章は性描写が含まれます。
裏よりは軽い方ですが・・・・精神年齢が18歳未満の方は見ない方が良いかと思われます。
平気だという方は下へどうぞ。
右手首をつかみ、痛がる不二。
「・・・・腫れてんじゃねーか。お前、どうして最初に言わなかった!」
「・・・・。」
「おい!」
「・・・・心配かけたくなかった・・・。」
「バカ。・・・どうした?ひねったのか?」
「・・・・最初に殴られたとき・・・勢いあまって飛ばされて・・・」
「着地するときに、手ついて、ひねった?」
「クスっ・・・ご名答。」
「笑ってる場合じゃないだろ。テニス・・・・おい、確か明日は・・・」
「練習試合。六角中とね。」
「・・・・手首見せろよ。」
何故、今まで気づかなかったのか・・・
不二の右手首は、かなり腫れている。
手首を順にひねっていく。
「これ、痛いか?」
「ううん。」
「これは?」
「平気。」
「じゃぁ、これは?」
「っつ・・・。」
「・・・痛いのな?」
総合的に見ると・・・
「ま、折れたりしてなさそうだな。でも・・・重い手首の捻挫ってとこか。」
「・・・・。」
「湿布貼って・・・手首は固定だな。女だって言われたときに・・・男だって否定しなくてよかったな。
男だって、わかってたら、もっとひどいめにあってたぜ?いい判断だ。」
「・・・別にそういう理由で黙ってたんじゃないよ。」
「あーん?」
「あいつら・・・氷帝レギュラーの悪口言い出したんだ。最初はにっこり笑って聞き流してたけど・・・
やっぱ許せなくて・・・・。」
「・・・・。」
「跡部のこと言われたら・・・もう頭に血が上って・・・
そんなこと言わないでよ!って抗議したら・・・お前、テニス部のやつの恋人だろ?って・・・。
そんなの否定したくないから、黙ってたら・・・殴りかかってきたんだ。気にくわないってね。」
「それで?」
「あいつら僕を女だって思い込んでて・・・
僕、跡部の悪口言ったときに怒り出しちゃったし・・・跡部の恋人だとばれるのは時間の問題だろ?
もし、男だって真実を言ったら・・・変な噂が広まっちゃうじゃないか。」
「変な噂?」
「跡部は、男が恋人なんだって・・・・。そんなことになるなら・・・女だと信じ込ませようと思ったんだ。」
「・・・・お前・・・。そんなこと、気にしてたのか?」
「・・・気にしてはないけど・・・・。本当は、恋人だ!って言っちゃいたかったし・・・。
でも、あの場では、ああしておいたほうが良かっただろ?」
「・・・・・。」
にっこりと笑う不二。
俺は、不二が寝ている布団に入り込み、不二にまたがる。そして、不二の胸に顔を埋める。
シャツのボタンをはずしたままなので、スースーとした湿布のにおいがする。
色々な想いを胸に・・・。
俺は不二の胸の中で目を閉じた。
「・・・跡部?ふふっ・・・何、潜り込んでるの?」
俺のことを想って、女のふりをした不二の優しさに・・・
その反面、本当は付き合っていると断言したかったという不二の切なさに・・・
俺のために怒ったせいで・・・傷ついた不二に・・・
あいつのそんな気持ちを見抜けなかった俺に・・・
普段とは違い、不二の気持ちを素直に理解できる戸惑い。
いつもなら・・・何でそんな理由で嘘ついたんだよ!と・・・問い詰めてしまうかもしれない。
それを抑制しているのは・・・
いつもと違う状況だからなのだろうか?
「・・・どうしたの?跡部・・・?」
不二が俺の頭をなでてくる。
こんな細い体で・・・
俺のために向かっていきやがって・・・・。
あんな笑顔で・・・
自分の苦しい、切ない、辛い・・・そんな気持ちを隠しやがって・・・・。
俺は・・・
俺はこいつを守りたい。
側にいたい。
嫌な気持ちを飛ばしてやりたい。
支えになりたい・・・。
俺は、不二の腹を軽く押す。
「うっ・・・。」
「痛てぇ〜だろ?快楽に変えてやる。」
「・・・えっ?」
俺は、不二の胸の突起を口に含んだ。
「ちょっと・・・跡部・・・やめっ・・・あっ・・・。」
「暴れんな!・・・手首含めて全身痛てぇ〜んだろうが。」
「それとこれとは・・・ッ・・・話が別っ!」
「黙れよ。」
「あっ・・・だって・・・誰か・・・んっ・・・来たら・・・ッ・・・。」
「誰も来ねーよ。・・・それ以上、うるさくしたら・・・」
再び、傷を軽く押す。
「うっ」という呻き声と共に、不二の抵抗が止む。
「こうなるぜ?」
「・・・・乱暴者。」
「ふっ・・・お前は、俺様に感じてればい〜んだよ。」
俺は、そのまま不二への愛撫を続けていった。
「はぁ・・・ッ・・・はぁ・・・・。」
誰かに気づかれないようにとの配慮か、抑え気味の声
それが、ますます俺様の性欲を高める
怪我の部分を避けて、うまいぐあいに舌や指をすべらせていく
私服のズボンに手をかけ、下着ごといっきに脱がす。
太もものあたりが大きなアザになっている。
そこをすっと触るとピクンと体が反応した。
「ここも・・・アザになってるぜ?痛てぇ〜だろ?・・・蹴られたか?」
「クスっ・・はぁ・・・たぶんね。・・・あんまり触らないで・・・痛い。」
「・・・・・・・。」
アザの上を舌で舐める。
「んっ・・・。」
「ここって案外感じるだろ?」
「触るなって言ってるじゃない・・・ッ・・・はぁ・・・。」
「もっと声出せよ。・・・痛くはしてないはずだぜ?」
俺の指先が不二の核心をつくころ・・・
保健室には、不二の甘い甘い震える声が響いていた。
強張る身体をほぐして、自分を埋めていく
不二から、さっき、あいつらにやられていたときのような呻き声が一瞬漏れた。
だけど・・・・
不二の顔は、苦痛に耐えながらも安らかで・・・
少し涙ぐんだ瞳は、まっすぐ俺を見据えていた。
弾む息と俺の動きに合わせたメロディーが、俺たち2人を快感へと連れて行く
時折、不二の傷が目にとまる
俺は、その傷が癒えればと・・・・
心の底から祈り、身を捧げる
一方、不二は
素直に俺を受け入れ続け・・・・
にっこり微笑む姿は、天使のようだったかもしれない・・・・・
しばらくすると、俺の祈りは天に届き、天使の微笑みで浄化された。
空の上まで、のぼりつめたかのような、快楽が広がった。
不二も同じく、頂点へと達したらしい。
俺は、荒い呼吸をまだ繰り返している体の火照った天使を優しく抱きとめる。
怪我の痛さは、イったことにより、今は消えているらしい。
誰かが来るかもしれない!
という一種の恐怖心など、今は頭の片隅にもないようだ。
虚ろな視線が、俺を捕らえ始めた。
「大丈夫か?」
「・・・はぁ・・・うん・・・。」
「もう少し横になってろ。」
俺は、不二の髪をなでながら、ベットを抜け出し、後始末に取り掛かる。
「僕も手伝うよ。」という弱々しい声の主を制して・・・・
「そんなに派手に飛ばしたりしてないみて〜だな。」
「・・・そうだね。においくらい?」
「あぁ・・・窓開けるぜ?」
もう、残っている人はそういないと判断して、カーテン越しの窓を開ける。
外はすっかり夕日が射していた。
少し冷たく感じる風が窓から室内を通り抜ける。
「うっ。」っという小さな呻きに気がついて、ベッドに戻り
不二が起き上がり、身支度をするのを手伝ってやった。
かばう右手に心が痛む。
「・・・ありがとう。」
すべてを終わらせ、迎えの車を待ちながらボーっと2人、ベッドの縁に腰をかけていた。
不二は、俺の方をじっと見つめている。
「・・・・何が?」
「心配してくれて・・・あと・・・ここで僕を愛してくれて・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「明日の練習試合・・・絶対に負けない。」
こんな怪我で・・・・
全身に渡る打撲・・・切り傷・・・
そして・・・1番致命的な手首の怪我・・・
「・・・・・そんな顔、しないでよ?」
いつの間にか、険しい表情をしていたのか・・・不二が俺を諭す。
穏やかに笑う不二。
「君が僕を愛してくれたから・・・痛みは快感に変わったんだよ?だから、大丈夫。痛くない。」
『試合に出るな!』
何度も喉まで出かかった。
練習試合だ。本番の試合じゃない。
だから、休んだって支障はない。
でも・・・あいつの反論は目に見えている。
青学の天才と呼ばれる不二だ。
青学・六角・・・両校が注目する選手の1人。
それに練習試合だとしても・・・
色々な学校のやつが偵察に来るだろう・・・
そうしたら、注目する人数はそれ以上だ。
その自分が練習試合に出ないとすると・・・
どれだけの人がそのことを不審に思うだろうか?
そう、あいつのことだ・・・
もし、試合に出ないとしても、絶対に風邪と言い張って家でじっとしている・・・
なんて考えは選択肢にはない。
だから、きっとこういう考え方をしている。
不審に思う・・・・
何故、練習試合に出なかったのか調べるやつがいるかもしれない。
この殴られたことが明るみに出るのは時間の問題。
迷惑をかけたくない
事を大きくしたくない
心配をかけたくない
あいつの・・・優しすぎる気持ち
しかも・・・不二の決心が固いことは知っている。
俺が何を言っても・・・
こいつは聞く耳をもたない。
それならば・・・・
「今日、うちに泊まれ。」
「・・・・えっ?」
「手首、やっぱりきちんとテーピングするぞ!あと怪我も。うちに医者を呼ぶ。
そうしたら、明るみには出ないだろ?周囲に心配なんてかけない。」
「跡部・・・・。」
「俺も・・・見にいくぜ。恥じない試合をしろ!」
「うん。」
「よし。・・・ちょうど車が来たみて〜だ・・・肩に掴まれ。・・・行くぞ!」
本当はね、裏にUPするつもりでした(笑)
でも・・・
この話は表で完結させたいな〜っと思いまして。
これくらいの性描写・・・平気・・・ですよね??
だ、ダメですか??
ダメそうなら無理をせず、管理人に文句言ってください!!(笑)
あと・・・この続きは様子を見ようかな。
本編で青学が六角と絡むっぽいので・・・