ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・・
シュコー・・・・・・シュコー・・・・・・・シュコー・・・・・・・
これら2つの音しか聞こえない個室。
不二の命の絆。
不二の命の証。
これが切れれば・・・彼は・・・
俺の世界で一番大切な人。
俺を・・・救ってくれたんは、不二やった。
俺は・・・お前を助けることはできんのか?
なぁ、不二・・・寝てるだけじゃわからんわ。
そろそろ目ぇ覚ませ。
不二・・・答えろや。
不二・・・・・。
意味と答え 〜alive or dead〜 1章
今日は休日。
晴れたとてもいい天気の日だった。
こんな日には外に写真を撮りに行きたくなる。
だから僕は・・・すこし遠出をして写真をたくさん撮っていた。
綺麗な草花
元気に駆け回る子供たち
僕は風景・人物どちらの写真を撮るのも好きだった。
写真を撮っていると、自分の心もリフレッシュされる気がする。
明日から・・・また元気に頑張ろう!という気持ちになれる。
こんなとてもいい日に・・・・僕は彼の本心を覗くことになる。
それは・・・公園で写真を撮っていたときのことだった。
「あっ!猫だ〜。」
それは、きっと飼われている猫で・・・とても綺麗な毛並みをしていた。
芝生の上で風にそよめいて揺れる草とじゃれあっている。
越前のうちの猫によく似ている。でも、まだ本当に子猫だ。
僕は、サワサワと揺れる草むらの中に足を踏み入れ、その猫の近くにしゃがむ。
すると、草とのじゃれあいに飽きてしまっていたのか、
猫は人慣れた様子で、僕のほうに寄ってきた。
「1人で遊んでるの?」
「ニャ〜」
「クスクスクス・・・。寄ってきてもダメだよ?エサ持ってないからね?」
しゃがんでいる周りを猫は1周して、僕の前でコロンと寝転んで甘えてくる。
お腹をこちょこちょと触ってやると、ゴロゴロっとかわいらしく喉を鳴らす。
僕は持っていたカメラで、そんな様子をとらえる。
パシャっ
そんなカメラの音にビックリしたのか、子猫はスっと芝生を囲んでいたツツジの茂みの中へと走っていってしまった。
何だか、まだその子猫の写真を撮っていたくて・・・僕は子猫の後を追う。
「どこ行っちゃったのかな〜?」
僕は、地面の下の方を見ながら右へ右へと進んでいった。
芝生に沿ってツツジの植え込みは続いていて、ツツジの後ろ側には、壁。
子猫が進むとしたら右か左。
左は、少し行くと子供たちへの滑り台やブランコなど遊具がたくさん並び、子供の声が響いている。
いくら人に慣れているとはいえ・・・左に進むことはないのではないかと考えたのだ。
ゴチッ
「痛っ。」
あまりに下を見すぎていて、途中にあった街灯に頭をぶつけ、即座に立ち上がる。
頭を押さえながらも・・・公園の右端に目がいった。
芝生が終わると、横には野球場があり、芝生と野球場の間には、少しのスペースがある。
ツツジとフェンスによって生み出された人が2人入るほどのスペース・・・
そこから・・・人の靴が見えている。
「・・・・・・。」
僕の足は・・・とても嫌な予感と好奇心から、子猫のことなんか忘れてそちらへと向かっていく。
ドクッ・・・ドクッ・・・・ドクッ・・・
心臓の音がその場所に近づくにつれて大きくなる。
はいているズボンの裾が見えてきた。
何だか・・・その足の人物は、見たことのある制服のズボンをはいている。
あのチェックの柄・・・・
「氷帝学園!?」
驚いた勢いで、隙間を覗く。
見たことのある・・・少し長めの黒髪。
やはり・・・氷帝学園の制服。
眼鏡を手に握っている。
でも・・・ぐったりとした様子の彼は試合会場で見かける彼とはまるで別人だった。
制服は血と泥で汚れ、フェンスに体をもたれさせている。
「忍足くん!?」
その狭いスペースに僕は入り込み、彼の様子を窺う。
「忍足くん?・・・・忍足くん?大丈夫?」
しゃがみこみ、肩を揺らしてみる。
口に血がついている。
口だけじゃない・・・至るとことに怪我をしている。
意識はないのだろうか・・・?
僕の呼びかけに反応してくれない。
「・・・救急車・・・・。」
持っていたバックから携帯電話を取り出し、119の最後の番号を押そうとした。
しかし、それは・・・彼からのキスによって封じられた。
彼は僕の腰をぐいっと引き寄せ、抱きしめたかと思うと・・・
すぐさま僕の唇を求めてきた。
血の味がする。
僕は突然のキスに、ただただ驚き、抵抗できないでいた。
それに・・・彼との体格差・力の差は歴然としている。
「んっ・・・ふぁ・・・・忍・・・足くん!・・・・やめっ・・・ッ・・・・。」
僕が抵抗すれば、するほど・・・彼は僕を強く抱きしめていく。
不意に唇が離れる。
「はぁ・・・・もう、忍足くん?何する・・・」
ドサッ
キスをした後・・・彼は僕にのしかかってきた。
再びぐったりとし・・・彼の手から眼鏡が落ちる。
「おし・・・たりくん?・・・ちょっと、忍足くん!?」
深い深いベールの中を・・・これから僕らは歩むことになる。
また管理人の好きなシリアス痛い系話。
そのうちハッピーな話も書きます!
今はこれで!!
忍不二スタート♪